こんにちは、xingです。
四方を海に囲まれた日本に住んでいると「外国への旅行=海外旅行」になるわけで(当たり前ですが)、外国へ行く手段は飛行機がメインとなります(船で行ける場所もありますけどね)。
東南アジアやヨーロッパを旅行すると、陸路で国境を超えたりすることも簡単で、日本ではできないような非日常感を味わうことができますが(私はこの「ボーダーツーリズムと称するものが大好きです)、中国からロシアへの陸路国境越えというレアなルートをたどりましたのでご紹介いたします。
このルートのダイジェスト版も動画でご用意いたしましたので、是非バーチャルトリップをお楽しみください。
*この旅程は2019年3月に行ったものです。現在は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部旅程で通行不能な箇所がありますので、最新の情報をご確認ください。
中国からロシアへのルートと交通手段・費用について

今回のルートは中国遼寧省(大連)から黒竜江省(ハルビン・綏芬河)を経由して、ロシア沿海州のウラジオストクまで到達したものです。
大連〜ウラジオストクまでは2泊3日かけて行きましたが、1泊2日で行くことも可能です。
交通手段と費用について
区間 | 交通手段 | 費用 |
大連〜ハルビン | 高速鉄道 (二等座席) | RMB406.5 (JPY6,500) |
ハルビン〜綏芬河 | 寝台列車 (硬卧) | RMB120.0 (JPY2,000) |
綏芬河〜グロデコヴォ (ポグラニチニ) | 普通列車 (硬座) | RMB100 (JPY1,600) |
ポグラニチニ〜ウスリースク | 乗合いタクシー? | RUB300 (JPY480) |
ウスリースク〜ウラジオストク (フトラヤ・レチカ) | バス | RUB380 (JPY600) |
フトラヤ・レチカ~ウラジオストク駅 | 普通列車 | RUB26 (JPY40) |
中国元(RMB)はRMB1=約16円、ロシアルーブル(RUB)はRUB1=約1.6円で計算しております。合計で約11,220円で、高速鉄道、寝台列車、国境区間の列車、バス、シベリア鉄道乗車プチ体験のてんこ盛りで非日常感を味わえますので、マイナーな旅行をしてみたい人にはうってつけです。
ロシアへ行く際に必要な渡航書類について
中国からロシアに向かって入国することになります。他の記事でも触れている通り、ロシアは日本人が観光目的で入国する場合でもビザが必要になります。
最低限必要な渡航書類としては、、
- パスポート
- ビザ
今回のルートは電子ビザでもOK!
なお、「今回のルートは電子ビザでもOK!」と書きましたが、同じ綏芬河~グロデコヴォ(ポグラニチニ)のルートでも並行してバスで入国するルートがあります。
こちらのロシア側の国境チェックポイントは電子ビザ不可ですので、もしバスで入国する場合は観光ビザを準備してください。
後ほど触れますが、今回のルートではここが一番の難所となっており、1日に1本しか運行していない列車に乗ることが必須です。
バスはもう少し頻繁にかつウラジオストクまで直行の便も出ており、少し楽に進むことができます。
難所の綏芬河~グロデコヴォについて
先ほど「最大の難所」とお伝えしましたが、この区間について詳しく触れておきたいと思います。
他の区間については鉄道・バスのチケットが買えれば何ら問題ないので、チケット入手を頑張ってください(中国の鉄道チケット入手についてはまた別の記事で触れますね)
何がそんなに大変なの?
この区間は「たかが一駅されど一駅」です。乗車距離が30km程度で乗車時間も1時間半くらいなのですが、、
- 列車の切符を駅では売っていない。
- 指定の旅行会社窓口(しかも1か所のみ)で切符を買う。
- その旅行会社の窓口は7:00-8:30しか開いていない。
- この区間の旅客列車の運行は1日1往復のみ。
- 切符を買うにしても乗車の手続きにしても割込みがひどい(笑)
- 日本人がこのルートを通るのは珍しいので、手続きはたいてい後回し(驚)
割込みがひどいとか手続きがうんぬんというのは、中国を旅行していればしばしば遭遇する話なので慣れましたが、やはり切符の購入が大変です。
他のサイトの記事でも切符を売っている旅行会社について触れているのですが、綏芬河駅周辺の再開発工事に伴って情報が古い記事もあったりするので、ほぼ最新の情報をお伝えしたいと思います。
切符の販売時間について

これが綏芬河〜グロデコヴォの国際列車の切符です。
最近の中国の鉄道の乗車券は自動改札も通る青いタイプのものがほとんどですが、この区間は昔ながらの赤い乗車券です。
販売時間は7:00-8:30と限定的です。
この時間帯でお察しいただけることと思いますが、「綏芬河駅に日中に到着後に切符を購入して乗車」という流れにはなりません。
- 綏芬河市内に宿泊する
- 綏芬河に早朝に到着する列車に乗る
いずれかが必要になりますが、綏芬河に早朝着の列車(2727次)が便利です。
ちなみに、この列車は10時過ぎに大連を出発して約20時間をかけて綏芬河に到着しますが、今回は日本からの航空便が大連に到着するのが昼過ぎであったために始発駅の大連では乗車できず、高速鉄道でハルビンまで追いかけました(なんか鉄道サスペンスみたい:笑)。
切符の販売場所について
繰り返しになりますが、綏芬河~グロデコヴォ間の切符は駅では売っていません。指定の旅行会社で買うことになるのですが、これまた分かりづらい。
ここからは画像で説明したほうがわかりやすいので、画像で説明します。

まず、綏芬河の駅を背にして右手の方にあるバスターミナルに向かい、バスターミナルの前を通過します。
バスターミナルを右手に画像のような景色が見えれば正解です。
乌苏里大街
バスターミナルを右手に進むと乌苏里(ウスリー)大街に出るので、乌苏里大街を右に曲がり、坂を上がります。
最初の信号で「国际售票处」という青い看板があるので、ここを右に曲がります。
乌苏里大街から右に坂を下って200mくらい進むと、旅行会社の青い看板(先ほどの「国际售票处」)が見えてくるので、ここがその旅行会社です。
窓口にパスポートとビザを提出して、乗車券を発券してもらいます。
綏芬河~グロデコヴォは1日1往復です!

綏芬河~グロデコヴォ間の旅客列車は1日1往復です。
ガイドブックなどの古い情報では「1日2往復」となっているかもしれませんが、現在は「1日1往復」が正解です
402次(綏芬河~グロデコヴォ) 09:52発 / 13:10着
401次(グロデコヴォ~綏芬河) 17:43発 / 17:15着
*中露間は2時間の時差があります。
*新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、2020年6月現在運休中
この区間を運行する旅客列車はこの列車のみなので、乗客の出国手続きが終了次第出発します(これも驚き!)。
日本人はほとんど通らないルート
以前はハルビン~ウラジオストクを直通する国際列車が走っていたそうですが、今では廃止されたため、このルートを通る外国人は非常に珍しい存在となりました。日本人がこのルートを通るのも1年に1人いるかいないかくらいだそうで、珍しがられます(まあ、物好きしかいないでしょうから)。
イミグレでは係官に冷やかされたり、あまり扱ったことがない国籍で面倒だから手続きを後回しにされたりすることもあります。
ロシア側の入国では珍しさからか早々にイミグレに招き入れていただき、入国後は警官が乗り合いタクシーまでエスコートしてくれるという貴重な体験もできました。

グロデコヴォの駅周辺はどんな雰囲気?
まず田舎です(笑)
到着後の両替などで心配かと思いますが、、
- 付近に銀行のATMあり
- SIMカードの販売あり
- ちょっとした食糧調達が可能な商店あり
あまり心配はいらないと思います。
両替できるところはなさそう(私は前回のシベリア旅行で余ったルーブルを持って行きました)ですが、周辺の乗合タクシーの運転手が中国元からの両替には応じてくれます(一応闇両替になるので自己責任で・・)。
日本出発前にルーブルを入手すると目が飛び出るくらいレートが悪いので、もしATMに巡り合えない場合は彼らの手を借りてもいいかもしれません。
ウスリースクやウラジオストクまで行けば、市中に銀行もATMもあるので、ここで入手するルーブルは最小限でよいでしょう。
行ってみてどうだった?
このルートは事前に色々と調べた上で、「ワクワクしながら」行ったのですが、期待を裏切らないものでした。
これまで東南アジア(タイ~マレーシア・マレーシア~シンガポール)やアメリカ~メキシコでボーダーツーリズムを楽しんだことは何度かありますが、いずれもそれほど珍しいルートではないので、今回の陸路旅は非常に良い経験となりました。
新型コロナウイルスの影響で中露間の往来はまだ途絶えていますが、再開の暁にはまた訪れてみたいと思います。
ちなみに、このルートがあまりにも面白かったので2019年11月に再度トライしたのですが、その際は中国東北地方の大雪で綏芬河から先に進むことができず、綏芬河に滞在する機会もあったので、これはまた別の機会に記事にしたいと思います。
今回の大連~ハルピン~綏芬河~ウラジオストクの光景を短い動画にまとめましたので、ぜひこちらもご高覧ください!