こんにちは、xingです。
飛翔体の発射や南北関係で話題の北朝鮮ですが、我々日本人にとっては「近くにあるが簡単に行くことはできない」場所と言えます。
確かに、外務省の海外渡航危険情報でも「渡航を自粛してください」というステータスが継続されており、これは当分変わることはないでしょう。
今回はそんな北朝鮮との境界である中国遼寧省の丹東に訪れた時の状況をご案内いたします。
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2019年11月当時の情報です。新型コロナウイルスの影響により閉館・営業時間変更等の可能性もありますので渡航前にご確認ください。
中国遼寧省・丹東へのアクセス

飛行機でのアクセス
日本から丹東への直行便はありませんので、北京や上海などから国内便に乗り継いで丹東へ行くことができます。北京や上海であれば日本からの便数もそれなりにあるので、飛行機行くにはこのいずれかの都市を経由するとよいでしょう。
丹東の空港は丹東市内中心から15km程度離れた場所にあり、バスやタクシーなどで市内中心部へ行くことができます。
高速鉄道でのアクセス
同じ遼寧省にある大連や瀋陽から高速鉄道でアクセスできます。大連も瀋陽も日本からの直行便があることと、国内移動はこちらの方が便利です(高速鉄道の方が便数が多い!)
瀋陽から丹東への高速鉄道アクセス
瀋陽からはG列車(最高速度300km程度)で1時間30分くらいです。
座席クラス | 料金 |
二等座席 | 約1,100円 |
一等座席 | 約1,700円 |
プレミアム座席 | 約2,000円 |
ビジネス座席 | 約3,200円 |
大連から丹東への高速鉄道アクセス
大連からはD列車(最高速度200km程度)で2時間30分くらいです。
座席クラス | 料金 |
二等座席 | 約1,700円 |
一等座席 | 約2,200円 |
大連から丹東への料金と比べて瀋陽からの方が安くて時間も短いですが、日本からのアクセスは大連の方が便利です。あとは好みの問題とも言えますので、迷ったら行きたい方から行っていただいて差し支えありません。
【丹東の観光地】1.鴨緑江断橋

鴨緑江は中国と北朝鮮の間にある川で、丹東付近の川幅は1kmくらいです。
丹東から北朝鮮新義州に向かっては2本の橋が伸びていますが、うち1本は朝鮮戦争当時に焼き落とされており、鴨緑江の中程までしかありません。観光客が入れるのはこの途中で落とされている方の橋(断橋)のみで、料金は30元(約500円)です。
中朝国境の鴨緑江断橋へのアクセス
丹東駅を出て駅前の大通を南東の方向に向かって進み、鴨緑江沿いの緑道に突き当たったら右に行きます。
Google Mapでは中朝友誼橋の手前に断橋があるような表記ですが、実際には中朝友誼橋の方が手前にあります。
中朝国境の鴨緑江断橋を実際に渡って?みる
断橋の入場券 断橋のライトアップ
夜間にはライトアップされ、赤・緑・青と交互に色が変わります。また、夜間は中国側のネオンがかなり明るいのですが、北朝鮮側はほぼ真っ暗となるため、非常に不気味です。
対岸の人々は中国側のネオンを見て何を思うのだろうかと非常に考えさせられる場所でもあります。おそらく我々は一生かかってもその答えを導き出すことはできないと思いますが・・。試しに断橋先端より北朝鮮目線で中国側の撮影もしてみました。我々にとっては当たり前の光景ですが、北朝鮮の人々から見れば遠い風景なのでしょう。


余談ですが、この鴨緑江断橋の先端部分で位置情報をとると「北朝鮮」と表示されます。実際に北朝鮮に行ったわけではないのに位置情報に残っていると、何とも不思議な気分です。
【丹東の観光地】2.虎山長城
こちらは丹東市内より1時間程度でアクセスでき、万里の長城の最東端という説がありますが、異論もあるそうです。遺構そのものは復元されてしまっているため完全なる観光地ですが、こちらも北朝鮮と川幅わずか数メートルの場所まで近づくことができるので、丹東を訪れる際には是非行ってみたい場所です。
虎山長城へのアクセスと入場料金
丹東駅の向かいにあるバスターミナルからバスに乗車します(10元程度でした)。バスは1時間に1本程度出ており、チケットを購入して乗車します。
途中で何カ所か客の乗降があるので、不安な場合はあらかじめ運転手に「虎山長城に行きたい(我想去虎山长城)」と伝えておくとよいでしょう。
入場券は現地で購入でき、大人1名55元(約850円)と、そこそこ高いですが、以前武漢から行った赤壁古戦場では135元(約2,060円!)も取られたので、そこから考えればまだまだ良心的な料金でしょう。

虎山長城の歩き方
公園内は非常に広いです。そして急な勾配やロッククライミングのような急峻な岩場を登ったりなど大変なので、下のMAPを参考に計画してみてください。

体力にあまり自信はないけど「一歩跨」に行ってみたい人
手っ取り早く「一歩跨」に行くには黄色の矢印を行き来すれば簡単です。
ほぼ平坦か緩い勾配しかないので、年配の方でも十分行き来できますし、虎山長城に来る方はほぼこの「一歩跨」が目当てかと思いますので、体力に自信なかったり時間がない方は迷うことなくこちらから行ってください。
虎山長城からの景観を見渡したいという人
「せっかく万里の長城の最東端(異説もありますが)まで来たのだから、長城からの景色も見たい!」という方は赤い矢印のルートを通れば良いです。

なお、頂上からは赤い破線矢印とオレンジの矢印に分かれますが、そのまま一歩跨に行く方は赤い破線の矢印を通ります。しかしながら、このルートは険しいルートですので、体力に自信がない方や山登りの経験が少ない方は避けた方が良いでしょう(というよりも安全のため避けてください)。
まるで匍匐前進のように進まなければならない岩場や吊り橋、踏み外したら中朝国境の鴨緑江に真っ逆さま(大袈裟ですが)の階段など・・。

「一歩跨」から数メートル先の北朝鮮を望む

「一歩跨」という名に表す通り、数メートルの川を隔てた先には北朝鮮の農村が見えます。私が訪れたのは11月であったため農閑期だったのですが、農業のシーズンには川の向こうに農作業をする北朝鮮の人々を見ることができます。
虎山長城から丹東市内への戻り方
虎山長城からは往路と同様にバスに乗って戻ることができます。長城の向かい側にバス停があるので、そこで気長に待ちましょう。
待っている間に何度もタクシーや白タク?に声をかけられますが、ほぼ言い値でしか乗せてくれません(参考までに聞いたら100元から80元に値下がりましたが、それでも高過ぎです)。
丹東市内でのおすすめの宿泊について
大連や瀋陽から日帰りでも行ける丹東ですが、鴨緑江は朝・昼・夕・夜で雰囲気が全く異なりますので宿泊することをお勧めします(虎山長城まで行くのであれば宿泊はほぼ必須でしょう)。
丹東市内には宿泊施設がたくさんあるのですが、「ここはおすすめ!」というホテルを2軒を紹介します。
【丹東宿泊おすすめNo.1】丹东中聯大酒店
今回私はここには泊まりませんでしたが、丹東に宿泊するのであれば最もお勧めしたいホテルです。でも何で私は泊まらなかったというと、単に「満室」だったから・・(笑)
このホテルの凄いところは、リバービュールームを選択すると「北朝鮮ビュー」すなわち宿泊している部屋から鴨緑江と中朝友誼橋、断橋が全て見えてしまう(宿泊階によっては見えないかもですが)という絶好の立地です。
丹東に観光に来て「北朝鮮は見ないよ」という方はいないかと思いますので、丹東観光には最もお勧めしたいホテルです。
丹東中聯大酒店
62 Binjiang Middle Rd, Zhenxing District, Dandong, Liaoning, 118000
【丹東宿泊おすすめNo.2】丹东希尔顿花園酒店(ヒルトンガーデンイン)
何と!丹東にもヒルトングループのホテルがあります(ヒルトンガーデンインですが)。
中朝国境の街でも外資系ホテルを希望される方はこちらも選択肢に入れてもよいです(しかも1泊8,000円程度とヒルトンの名前がついている割にはそんなに高くない)。
ここのレストランではビュッフェもやっており私が行った時にはキャンペーンで夕食でも100元と非常にリーズナブルでした。
実際には宿泊していないので、レストランの写真でご容赦ください。
丹东希尔顿花園酒店レストラン入口 丹东希尔顿花園酒店グリルビュッフェ
丹东希尔顿花園酒店
No 30, Shiwei Rd, Zhenxing District Dandong, 118000, CN
丹東観光の注意事項(治安も含めて)
丹東は中朝国境という特殊な場所柄、中国の公安が至る所に配備されて市中の治安維持に努めています。警察の中でもSWATと呼ばれる特殊部隊が配備されるなど、都市としても重要な位置付けであることが分かり、市内を観光していても危険な目に遭遇することはほとんどありません。
しかしながら、「中朝国境」という場所柄、我々観光客としても注意して行動する必要がありますのでこちらもご案内いたします。
丹東観光でこれはやってはいけない(禁止事項・自粛事項)
- 北朝鮮に向かって暗号を送る(またはそのような動きをする)
- 北朝鮮の人に向かって話しかける
- 北朝鮮の人と物を交換する、手渡す
- 北朝鮮に向かって川(鴨緑江)を渡る
- 北朝鮮に向かって物を投げる
- 北朝鮮ビザ手配と観光の斡旋に応じること
行為次第では拘束されてそのまま帰国できなくなってしまうこともありますので、これらの行為は絶対にしないようにしましょう。
特に鴨緑江の遊覧船に乗船したり、農業シーズンに「一歩跨」に行くと、北朝鮮の人々がびっくりするくらい近くにいることもあります。声をかけたくなりますが、ここはじっと我慢しましょう。
「北朝鮮のビザを取って観光ツアーに連れて行ってあげる」という誘いに乗ってもいけません(そもそも本当に行けるのか?)。本当に北朝鮮に入れたとしても旅行者に身の危険が及んだ場合は日本の外交ルートでの救出が困難だからです。
大使館・領事館機能がないエリアは他にもあります(日本人がよく行く場所ではマカオなど)が、北朝鮮での邦人保護はそのようなエリアとは比較にならないくらい大変な労力が必要になります。
また、丹東市内または周辺の土産店には北朝鮮の物資がたくさん売られています(珍しいところでは北朝鮮の貨幣も売っています)。個人的に楽しむ程度であればよいですが、過剰に買い物をすることで北朝鮮に向けてお金が流れてしまっているということも忘れないようにしましょう。
丹東へは急に行けなくなることもある
これは場所柄やむを得ないのですが、北朝鮮の最高指導者が中国の国家首席と会談を持つ数日前から突如周辺の鉄道の乗車券販売が停止されたことがありました。
限りある休暇の仲で日程を組んでいたとしても上記のような情勢次第で、一時的に訪れることができなくなる状態が急遽発生することも理解しておきましょう。
丹東で撮影した動画も載せましたので、鴨緑江の雰囲気をお楽しみください😊