こんにちはxingです。
都道府県をまたぐ移動の自粛も解除され、徐々にコロナ前の生活を取り戻しつつあります。
人出も緊急事態宣言前の7-8割程度まで戻っているそうなので、夏休みのレジャー計画を立て始めている方も多いかと思います。
色々な背景から「GO TOトラベルキャンペーン」が話題になっており、個人的に質問されることも多いので概要について説明したいと思います。
そもそも夏休みの旅行に間に合うのか?という疑問もお持ちかと思いますので、この点についても触れたいと思います。
こんにちは、xingです。夏休みの旅行に気になる「GO TO トラベルキャンペーン」ですが、本日政府より詳細発表になりました。開始時期が7/22と、思ったより早いのですが、一部で「暫定開始」となる部分もあ[…]
そもそも「GO TO トラベルキャンペーン」って何?
今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、宿泊・交通・飲食に代表される「観光業界」は大きなダメージを受けました。
- 2020年4月の宿泊業における倒産件数は25件(うちコロナ関連が6割)
*東日本大震災直後の2011年5月以来の高い水準 - 2020年4,5月の訪日外国人の入国者数はいずれも対前年99%減
- 国内航空大手における6月の減便率(国内線)は引き続き7割台
いずれにしても明るいニュースはないのですが、感染拡大がやや落ち着きつつあるこの時期に人の流れを創り出し、地域を再活性化するための需要喚起施策として投下されるものです。
どれくらい費用が助成されるの?
ここが最も気になるところだと思います。
ざっくり「宿泊代金・旅行代金の1/2」と理解しておけばよいでしょう。
ただし、上限は1人1泊あたり2万円(日帰り旅行は1万円)なので宿泊代金・旅行代金が4万円である場合に助成金額・率ともに最大値となります。
ただし、ここで気をつけなければならないのは、「旅行代金の1/2(最大2万円、日帰りは1万円)が引かれるわけではない」ということです。
これは一体どういうことか、ということは次の資料をご覧いただいた方がわかりやすいと思います。

それぞれ2万円、10万円の旅行代金・宿泊代金の例です。
10万円の場合は上限2万円の助成額に達しているケースとしてお考えください。
一番右の欄に「支援額の内訳」とありますが、ここにある「地域共通クーポン」ですが、これは1,000円単位の商品券で利用者に配布されるものです。
ここからも分かる通り、「旅行代金の1/2(最大2万円、日帰りは1万円)が引かれる」というわけではなく、「旅行代金の1/2(最大2万円、日帰りは1万円)が支援額として給付される」という方がより正解に近いかもしれません。
支援額のうち3割程度は現地の買い物・食事・体験でお金を回してね、とうことです。
「私は現地ではホテルに直行して部屋からは一歩も出ない!お土産も買わない!」という方でなければ、3割の地域共通クーポンで楽しむこともできるので、あまり問題ないと思いますが、純粋な割引ではないので注意を要するところです。
助成の対象は?
これも気になるところです。
手配の方法で助成対象も変わるので、注意が必要です。
こちらもざっくりですが、以下のように手配すると1〜4に向かって助成対象の幅が広がります。
1.宿のみを手配してJR(新幹線)やバスを自分で手配する(または車で行く)
2.宿のみを手配して夜行列車(寝台車)、夜行フェリーで行く
*移動は宿に準ずるもので座席のみとみなされるものは不可
3.宿と往復の交通機関(JR、バス、航空機)がセットになったプランを申し込む
4.宿と往復の交通、レンタカーや旅行中の行程がセットになったプランを申し込む。

これも観光庁のサイトがわかりやすい資料を作ってくれているので、参照してください。
自分で手配する交通機関などは助成の対象外ですが、プランに含められている交通機関は「交通機関も割引対象」であることがポイントです。
具体例を挙げてみますが、
・2万円の旅館を手配して、交通費(新幹線)の切符を駅で買う(往復で3万円)
この場合の旅行にかかる費用は5万円ですが、助成対象はそのうち「2万円の旅館」のみです。よって助成額は、2万円×50%=1万円
・往復の交通費(新幹線)と旅館がセットのプランを5万円で買う
この場合の助成対象は「5万円のプラン」です。よって助成額は、5万円×50%=2.5万円
往復の交通機関と宿泊を合わせて5万円で手配した場合でも助成額がここまで異なるのです。実際には端数処理の関係で助成額が上記とは異なりますが、往復の交通期間がセットのプランであればその部分も助成対象になるため明らかに助成額は高くなります。
夏休みの旅行には間に合いますか?

これは難しい質問ですが、「方面と出発時期によっては間に合うかもしれない」と言えるにとどまります。
この「GO TOトラベルキャンペーン」の運営業務を委託する入札公示が6月16日にされ、運営業務の委託先となる会社が決定するのは7月に入ってからです。
各旅行会社ともこの「GO TOトラベルキャンペーン」に合わせた商品展開の準備はしているものの、まだ概要段階であることから、具体的な発売は早くても7月中旬くらいと考えます。
最近は国内旅行の予約は間際化しているとは言いますが、7月中旬の新規予約のターゲットは近くても8月中下旬であると考えます。
また、方面についても重要な要素になりますが、やはり遠距離は出発日から起算した予約日は早く、近場ほど間際になる傾向があります。
7月中旬に「GO TOトラベルキャンペーン」が本格始動したと仮定し、夏休みの旅行としてカバーできそうな方面ですが、
- 列車で片道1-2時間程度で1泊2日が目安の近場は十分間に合うかもしれない(関東でイメージするところの箱根・伊豆・日光など)
- 新幹線で2時間程度、航空機で1時間程度であれば、ギリギリいけるかも(関東発着でイメージすると、関西・中国・四国あたり?)
- 航空機で1.5-2時間程度の方面は出発時期によるかも(関東発着でイメージすると、北海道・九州・沖縄)
「出発時期によるかも」とありますが、今年に限っては3月から5月下旬まで休校が続いた関係で、夏休みが例年に比べて極端に短くなっています(概ね2週間程度まで短縮)。
そのため、短縮された結果「夏休みが8月中下旬」という方であればキャンペーンの始動から出発までの日数もあるので、それだけ気合が入った遠方も狙えるということです。
あくまでも「遠方の予約は早い時期に、近場ほど間際に」という仮説に立っているので、「思い立ったが吉日!1週間後でも準備して沖縄に行けるよ!」という方であればこの限りではありません。
しかし、滅多に行かないような遠いところであればじっくり考えてから申し込みたいという方が大半でしょう。
夏休みの動向でもう一つ気になるところ
今年の夏休みについては、もう一つ気になることがあります。
先ほど申し上げたように、休校期間の関係で夏休みが例年に比べて短縮されています。
全国的に綺麗に7月〜8月にかけて分散してくれればよいのですが、どのエリアもほぼ例外なく旧盆期間は夏休みに含めるようにしています。
結果的に、学校の夏休みは8月第1週〜3週にほぼ集中しており、例年では「夏休みではあるもののお盆を外しているから行き得(すなわち旅行代金がトップシーズンより一段安い)」である7月下旬と8月下旬はほぼ「通常の登校日」となっています。
よって、家族連れの旅行は8月1週〜3週にかけての争奪戦が繰り広げられる、という展開が予想されます(夫婦だけ、または子供が未就学であるため学校は関係ないという場合はこの限りではないです)。
「夏休みの家族旅行は必須行事だから予約できないなんて困る!」という方は、「GO TOトラベルキャンペーン」を待たずして予約が取れるうちにとった方がよいでしょう(その場合は助成の対象外になることもやむを得ません)。
GO TO トラベルキャンペーンまとめ
「GO TOトラベルキャンペーン」の概要についておさらいします
- 国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を助成(1人1泊あたり2万円、日帰り旅行は1万円が上限)
- 支援額のうち7割程度は旅行代金の割引に、3割程度は旅行先で使える地域共通クーポンとして助成(まるっと割引ではない)
- 連泊制限や利用回数の制限なし
通常の旅行業界での割引制度で「50%引き!」なんていうことはまずあり得ません(旅行プランの純利益なんて5%もないですから・・)。
観光庁のデータによると、2019年度の国内旅行の市場規模は約10.4兆円と言われていますが、今回の「GO TOトラベルキャンペーン」は約1.7兆円を投じて展開されるので、いかに大きな予算規模であるかということが分かるのではないかと思います。
新型コロナウイルス感染拡大による長引く外出自粛もありましたので、少しでも開放的な気分を満喫するべく、この夏の旅行計画に役立てていただければと思います。